憧れのフラワーデザイナーになる道のりは?必要な資格はある?
おしゃれなイメージがあり、雑誌やテレビなどで取り上げられることも多いフラワーデザイナー。一言でフラワーデザイナーとは言っても、お花を使った作品を生み出す人やウェディングブーケ、装花を手がける人、あるいはお花屋さんの店頭に立ち、お祝いの花束やアレンジメントの製作をする人など、その働き方はさまざまです。
働く人の中には、お花の専門学校に通った人や他の業種からの転職など、多種多様な道のりを経てフラワーデザイナーになった人たちも多く、未経験からこの仕事を目指したという人も少なくありません。
この記事では、お花屋さんで働きたい、将来フラワーデザイナーを目指したい方に向けて、フラワーデザイナーの仕事内容とその道のりについて解説します。
フラワーデザイナーの仕事とは?
フラワーデザイナーは、お花を使った作品や会場装花を手がけたり、実際にお花屋さんの店頭でお客様の花束やアレンジメントの製作を行う仕事をする人のことです。
フラワーデザイナー以外にも、フローリスト、フラワーコーディネーター、それらを総称してお花屋さんと呼ばれることもありますが、それぞれの呼び方に明確な定義はありません。
フラワーデザイナーになるまでの道のり
フラワーデザイナーとして活躍する人の中には、さまざまな道のりを経た人がいます。
専門学校を卒業してお花の業界に就職した人はもちろん、未経験からお花屋さんでアルバイトを始めた人、他業種からの転職など、フラワーデザイナーを目指す方法はたくさんあります。
働く場所によって仕事内容に差が出るので、将来やりたいことを明確にして進路を決めることが大切です。
高校、大学、専門学校を卒業して花業界に就職する
一般企業同様、新卒採用の形でお花業界に関わることもできます。
新卒採用であれば、企業も未経験での入社を前提としているので、研修制度が整っていて、お花に関する基礎からしっかり学べる点がメリットです。
しかし新卒採用を行っている会社は、大手チェーンのお花屋さんやブライダル業界など、お花業界の中でも一部の企業に限られています。
中にはお花の専門学校に通い、知識や技術を身に付けてから就職した人もいます。
専門学校は社会人からでも学ぶことができ、幅広い年齢層の学生を受け入れていることが特徴です。
専門学校に通えばお花に関する知識と技術以外にも、パソコンスキルや独立した後の運営に関する知識、仕入れ管理に関する知識などを幅広く学ぶことができます。
学校でお花の技術の基礎をしっかり学んでいるため、就職時にも即戦力として採用してもらえる確率が高くなります。
また花業界の現状を理解しているので、実際に働きだしてからもギャップが少なく、スムーズに仕事をこなすことができることもメリットです。
お花屋さんで働く
未経験からお花屋さんでアルバイトをして修業を積み、フラワーデザイナーとして独り立ちした人もとても多いです。
街のお花屋さんなどは、店長以外はすべてアルバイトというお店も多いのが現状です。
お花屋さんはお店の規模や会社の業態、立地条件などによって働き方にかなり差があります。
例えばお花屋さんの中にはウェディングを専門で受けているお店、街のお花屋さんのように個人で経営しているお店、あるいは全国チェーン展開する大手のお花屋さんや、冠婚葬祭のみを専門に受けているお店などその業態はさまざまです。
また、お花屋さんによって、仕入れるお花の種類や作る花束、アレンジメントの雰囲気にも差が出ます。
お花屋さんで働きたいと考える場合は、自分の目標を明確にし、理想のスタイルに合った働き方ができるお店を見極めることが大切です。
他業種からの転職も多い
他業種からの転職も多い仕事です。
インテリアや雑貨、服飾関係の仕事をしていた人の中には、お店の空間ディスプレイで出会ったお花に魅せられてこの世界に転職したという声も聞きます。
働いてみると、お花屋さんの仕事内容の中には他業種の経験が活かせるシーンが多い事にも気づくはずです。例えばお花屋さんやテナントの店頭ディスプレイや花合わせは、アパレル業界や雑貨店での経験が大いに生きる現場です。
また会場装花ではお花以外の材料を使うことも多いため、より豊かな想像力が必要になります。そのような現場で働くフラワーデザイナーには、アーティストのような独創性を求められることも少なくありません。
フラワーデザイナーが活躍する場
働く場所によって仕事内容は多岐に渡ります。扱う材料も、生花やドライフラワー、中にはアート作品のようにお花を扱うデザイナーも存在していて、独自の個性やセンスが問われる仕事です。
会社に属してフラワーデザイナーとして働く場合は、業務内容に合わせた仕事を担うのが基本です。
お花屋さんであればお客さまの花束やアレンジメントの製作、接客などお花に関する業務全般を行います。ブライダル業界に所属する場合は、ウェディングを専門に装花やブーケを担当し、ホテルやイベント会社であればロビーや会場の装花を担当するのが主です。
フリーランスとして、個人で仕事を受注することもできます。
フリーランスとして活躍するデザイナーは自身で経営するお花屋さんを持っていたり、テレビや紙面でも活躍していたり、スクールで講師を務めていたりと活躍の場もさまざまです。
フラワーデザイナーを名乗るのに資格は必要?
現在、日本でフラワーデザイナーを名乗るために必要不可欠な資格はありません。
フラワーデザイナーとして働く人の中には、国家資格である「フラワー装飾技能士」や民間資格である「NFDフラワーデザイナー」、生け花の各流派の免状などを持っている人もいますが、資格を持たずに働く人も多く、実力主義の世界です。
もちろん就職を目指す際に資格があるに越したことはありませんが、実際に問われるのはお花に関する知識、技術と経験、そしてセンスです。
そのためお花に関しては未経験であっても、手先が器用であったり、色彩に関するセンスがあったりすれば、フラワーデザイナーを目指すことは十分に可能と言えます。
また華やかなイメージからは想像しづらいですが、重い水の入った桶や什器を運ぶことも多く、市場の仕入れは早朝に行われるため体力とやる気が必要な仕事でもあります。
フラワーデザイナーに求められる能力
フラワーデザイナーとして活躍するためには、お花の技術に加え、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力、自己アピール能力も欠かせません。
フラワーデザイナーの仕事は、お客さまやクライアントがあって成り立つものです。
特に、相手との会話から理想とするイメージを引き出す力や、相手の思い描くイメージを想像して形にするようなコミュニケーション能力は必要不可欠と言えます。
以下の項目で、フラワーデザイナーに求められる能力を確認していきましょう。
お花の知識と技術、センスの良さ
フラワーデザイナーにとって花束やアレンジメントの製作技術をはじめとする、お花に関する知識と技術は必要不可欠です。
例えば、花の日持ちや温度による状態変化をしっかり認識しておくことも大切です。
認識不足だと、お渡しのときには美しかった花束やアレンジメントが、実際にプレゼントするときには水が下がって元気のない状態になっていたり、配送してすぐにしおれてしまったという結果にもなりかねません。
またアート作品同様、花束やアレンジメント、装花などのお花を使った作品の美しさに正解はありません。
生花以外の材料を使うフラワーデザイナーも多く、お花を使った作品のバリエーションはかなり幅広いです。
お花に関する技術を磨くだけでなく、芸術作品を鑑賞したり、最近のトレンドをリサーチしたり、フラワーデザイナーとして活躍し続けるためには、センスを磨くために常に努力し続けることも大切です。
コミュニケーション能力
街のお花屋さんであればお客さま、ウェディング関連の職場であれば新郎新婦、会場装花であればクライアントなど、フラワーデザイナーは常にお客さまの理想をお花を使って形にすることが仕事です。
そのため、お客さまのイメージを引き出すコミュニケーション能力はフラワーデザイナーにとって欠かせないスキルです。
どんなに花束やアレンジメント、装花を仕上げる技術が高くても、依頼した人の理想とかけ離れていれば納得してもらえず、喜んでもらうことはできません。
またウェディング関連の仕事など、大きな会場ではチームで仕事をする機会も多くなります。そういった現場ではチームでコミュニケーションを取り、仕事をする協調性も必要です。
体力、スケジュール管理能力
フラワーデザイナーを含むお花関連の仕事は体力勝負です。
生花にはお水が必要なので、大きな花瓶や桶を運んだり、ディスプレイに使う什器を運搬したり、体力が必要な場面が多い仕事です。
また冬は、暖房によって花が痛むのを防ぐため、寒い中での作業が基本になることも覚えておきましょう。
それ以外にも、朝が早いこともお花屋さんの特徴です。
市場の仕入れが早朝から行われたり、ウェディング関連の仕事で午前中からの挙式の場合、作業は深夜から行われたりすることも多くあります。
自分自身の体調管理に加え、仕事のスケジュール管理をし、納期を厳守することも大切です。
自己アピール力、SNSなどでの発信力
フラワーデザイナーとして独立を目指す場合は、自己アピール力が欠かせません。
お花を扱う会社はたくさんあるので、その中でいかに自分の力をアピールし売り込むかというセルフプロデュース力が問われます。
最近では、SNSを活用して作品を載せたり、活動の場を広めている人も増えています。
フラワーデザイナーに関する資格
フラワーデザイナーを名乗るために必ず取らなければいけない資格はありませんが、無名のデザイナーがはじめから大きな仕事を任せてもらえるケースはごく稀です。
仕事をもらうためには、自分の技術やセンスを証明する必要があります。
そんなときに役立つのがフラワーデザイナーに関する資格です。
主に国家資格である「フラワー装飾技能士」や民間資格である「NFDフラワーデザイナー」を目指す人が多いです。
またフラワーデザイナーではお花に関する色彩感覚も大切なので「色彩検定」を取得したり、自分のお店を持ちたいと志す人の中には「販売士検定」や「簿記」、「ビジネス会計検定試験」など経営に関する資格を取得するという人もいます。
国家資格である「フラワー装飾技能士」
お花に関する資格の中で唯一の国家資格です。
お花の知識と装花に対する技術に関する検定で、技術試験では実際に花束の製作や祭壇の装飾などの技術が試されます。
資格は1級から3級までの3段階に分かれていて、試験は学科と実技で構成されます。
実際の技術がお花屋さんで働く上での仕事に直結するという内容ではありませんが、取得しておくことでお客さまやクライアントの信用を得ることができる理由で取得する人が多い資格です。
民間資格である「NFDフラワーデザイナー」
「日本フラワーデザイナー協会」が独自に運営している民間資格ですが、50年以上の歴史があるため、実際にお花関連の仕事をする人の中にも受験する人が多い資格です。
フラワーデザインとアレンジメントの知識と技術に関する試験があり、3級から1級までの3段階で構成されています。
ただし受験するには、日本フラワーデザイナー協会の関連団体、あるいはスクールに通い単位を取得する必要があります。
事前に講習を受けての受験なので、合格率はかなり高く、もっとも難易度の高いとされる1級でも8割以上は合格する試験です。
普通自動車運転免許
お花に関する資格ではありませんが、ぜひ持っておきたいのが普通自動車運転免許です。
お花屋さんでは、自社の車でお花の配達をしたり、仕入れを行っているお店が多いです。普通自動車免許を持っていれば、大きなスタンド花や観葉植物なども配送を任せられるため、重宝しています。
フラワーデザイナーの雇用形態と求人状況
独立してフリーランスで働くのか、大きな企業に属するのかによって雇用形態は変わりますが、求人段階ではアルバイトあるいは契約社員での採用が圧倒的多数です。
まずはアルバイトや契約社員として働き、実務経験を経て社員に採用されるケースが多くなります。
では実際にどのような形で求人募集がかけられているのでしょうか。以下の項目で確認していきましょう。
公式HPやSNS、求人情報サイト
求人をお店や企業の公式サイト、SNSを通じて求人募集をかけるお店などで募集する企業が増えています。
SNSからの応募は、実際の花束やアレンジメント、装花の雰囲気を見てから判断できるメリットがあります。
求人情報サイトの中には花業界に特化したサイトもありますが、各企業の採用人数は比較的少ないので、こまめに情報をチェックして見逃さないようにしておきましょう。
店頭での求人をチェックする
お花屋さんの中には、店頭の張り紙で求人募集をかけているお店もあります。
また実際に求人募集がなくても、どうしても働きたいお店や会社があれば直接交渉してみるのも一つの方法です。
自らアクションを起こすことでやる気を伝えることができ、その時点で求人募集はかけていなくても、欠員が出た際に連絡してくれることもあります。
繁忙期の短期アルバイト
もっとも採用されやすいのが、繁忙期の短期アルバイトです。
お花屋さんの繁忙期は主に母の日、年末年始、入学や卒業シーズンなど、ブライダル業界では、3〜5月、9〜11月が繁忙期にあたります。
店舗を構えているお花屋さんでは、母の日や年末年始の短期アルバイトを募集するお店が増えます。
作業はお花を扱うことに直結する内容とは限りませんが、実際に働く様子を見ることができるので、今後どんな働き方がしたいのか、自分がこのお店に合っているかを判断することができるメリットもあります。
繁忙期が終わったあとで希望すれば、短期アルバイトから長期アルバイト、あるいは契約社員への道も開けるはずです。
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未経験からでも目指せるフラワーデザイナー、目標に合った道のりで夢を叶えよう
フラワーデザイナーになるまでの道のりは、人それぞれ、さまざまな方法があります。
まずは自分がどういった場所で活躍するフラワーデザイナーになりたいかを見極め、そのために最も必要な知識、技術、経験が学べる場所で実践を積むのが近道です。
フラワーデザイナーはお花を通じて、自分の作品で人を喜ばせることができる唯一無二の仕事と言えるでしょう。
やる気さえあれば、未経験からフラワーデザイナーを目指すことも十分可能です。
将来フラワーデザイナーになりたいと考えている人は、この記事をきっかけにぜひ、夢への第一歩を踏み出してくださいね。