フラワーデザイナーになるには?業種別の平均収入と仕事内容をご紹介
フラワーデザイナーは花を扱うプロの職業です。そんな仕事に憧れを持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フラワーデザイナーの収入はいくらか、他の職業と比べると多いのか少ないのか、など相場を基にしてご紹介します。
フラワーコーディネーターとの違いは何か、資格は取った方がいいのかなど、フラワーデザイナーで働く上で有効な知識をまとめました。
気になる方はぜひご覧ください。
フラワーデザイナーとは?
フラワーデザイナーとは、花を扱い、場所に見合うデザインで飾りつけを行う職業です。
花を扱う仕事につく方たちを総じて「フローリスト」とも呼びますが、フラワーデザイナーもフローリストと呼ばれることもあります。
花が好きな方の中には、フラワーデザイナーやフラワーコーディネーターに憧れる方も多いです。
しかし専門的な仕事のため、フラワーデザイナーって実際はどんなことをしているんだろうと気になる方も多いのではないでしょうか。
また、実際に仕事についたら、どれくらいの収入を得られるかも気になるところです。
そこで今回は、フラワーデザイナーのお仕事に興味のある方のために、収入の違いや仕事の内容について紹介します。
まずはよく似たフラワーデザイナーとフラワーコーディネーターの違いについて見ていきましょう。
フラワーデザイナーとフラワーコーディネーターの違い
一般的には、花束やアレンジメントの作成を担うのが「フラワーデザイナー」、お祝いを行う会場など幅広い空間を花を使って飾る人のことを「フラワーコーディネーター」と呼びます。
フラワーデザイナーとフラワーコーディネートは、一見同じような仕事に見える上、名前も似ているため、明確な区別がなく名称を使い分けされていることも多いです。
しかし、実は2つの仕事内容に明確な違いはさほどなく、フラワーデザイナーが空間装飾の仕事を行うことも、フラワーコーディネーターが花束のアレンジを作成することもあります。
理由は、1人の方がフラワーデザイナーの仕事もフラワーコーディネーターの業務も遂行する場合も多いからです。
そのため明確な使い分けを行っているわけではありませんが、独立し、クライアントの依頼を受けて花を扱う仕事を行っている方をフラワーコーディネーターと呼ぶ場合も多いです。
フラワーデザイナーの収入はどのくらい?
それでは、実際にフラワーデザイナーが稼ぐ収入はどのくらいなのでしょうか。
ここではお花屋さんや企業などで正社員として登用されているフラワーデザイナーと、契約社員やアルバイト・パートとして働いている方の収入の違いをまとめています。
これからフラワーデザイナーになりたい方は職種の違いでどれだけ収入が異なるかによって生活も変わりますので、しっかりチェックしておきましょう。
正社員
フラワーデザイナーとして正社員で働く場合の収入は、月給15~25万円ほどです。
新人のお給料としては15万円スタートが多く、徐々にレベルアップして昇級するスタイルが一般的です。
フラワーコーディネーターとしての仕事に従事していても、お花屋さんとブライダル企業やホテルの職員として働くのとでは立場も異なります。
大人数で働いている場合は、責任ある立場に付けば役職手当が付きますし、サービス業に従事している場合は休日出勤などの手当もつきますので、月給プラス数千~数万円と考えていいでしょう。
しかし花を扱う業界は、流行や経済状況に大変影響されやすいため、月給は低めの設定にあります。
契約社員・アルバイト・パート
フラワーデザイナーの仕事に従事されている方の中には、契約社員やアルバイト・パートとして働いている方も多いです。
特にパートやアルバイトは時給で働いている方も多く、平均で850~1,200円程です。
時給で働かれている方が多い業界ですが、経験値やスキルアップが見込める職業ですので、自分の技やセンスを磨いていけば、時給や収入も徐々に上がっていきます。
独立して企業と契約し、フラワーデザイナーの職種に付いている方は、年間契約や仕事1件分いくらというような、さまざまな報酬形態で働いている場合も多いです。
報酬はクライアント次第であるため、具体的にいくらなのかは仕事により異なります。
しかし人気と実力を備えたフラワーデザイナーの中には、年収1,000万円という方もいますので、夢のある職業とも言えます。
フラワーデザイナーの業種別の平均年収
さまざまな職場や働き方のあるフラワーデザイナーですが、業種別に平均年収を調べてみました。
フラワーデザイナーは勤め先や環境によって、年収の差がはっきりと出るため、同じ仕事を行っていても収入が異なることも多いです。
そのため、これからフラワーデザイナーを目指す方は覚えておくといいでしょう。
ここでは下記の4つの職場や働き方別の平均年収を紹介します。
1. お花屋さん(フラワーショップ)
2. 園芸店
3. ブライダル関係
4. フリーランス
収入の多い職場はどのようなところなのかチェックしておきましょう。
お花屋さん(フラワーショップ)
お花屋さん(フラワーショップ)は主に切り花を置いているお店です。
仕事内容はアレンジメントや依頼のあった花束を作成するフラワーデザイナーの仕事以外にも、花の仕入れや管理、店内の清掃、注文や配達、接客業務など多岐に渡ります。
お花屋さんに勤めるフラワーデザイナーの年収はおおよそ250~300万円前後で、月収は20万円、店によってボーナスが50~60万円程度が一般的です。
月給制で働く給料形態は、主に店長や正社員の年収が当てはまります。
実はお花屋さんに勤めている従業員の多くが時給制で、パートタイムで働いている方も多く、時給は1,000円前後程度、東京などでは1,000~1,200円程度が相場です。
園芸店
園芸店とは、鉢植えなどの根の付いた植物を主に取り扱っている小売店です。
自身で育てるための植物を取り扱っているので、生育に必要な土や肥料、鉢などの道具も販売しています。
しかし園芸店でも切り花を取り扱っている店舗は多いです。
そのため、鉢植えの商品もアレンジメントが必要なものが合ったり、寄せ植えなどをプレゼント向けに飾ったりすることもありますので、仕事内容はよく似ています。
給料形態はお花屋さんに勤めているのとほとんど同じと考えていいでしょう。
ブライダル関係
ブライダル関係のお仕事に花は欠かせないため、フローリストの仕事は評価が高く、需要のある働き口と言えます。
ブライダル関係での働き方は主に2種類です。
結婚式場やホテルに勤めている社員タイプと、専属の契約を結んでいるフリーランスタイプで、それぞれ報酬の形態が異なります。
月給では18~30万円が相場です。
さらに繁忙期には夜中まで帰宅できないといったケースも生じるため、深夜手当や残業手当などがプラスされます。
フリーランス
フリーランスの方は、受けた仕事1件の報酬となります。
たとえば、ブライダルブーケひとつの値段は15,000~20,000円です。
他にも会場の装飾やテーブルひとつひとつを飾り付ける花のアレンジなど、仕事が増える度に報酬が上乗せされます。
フリーランスには手当という報酬が付かない分、クライアントや出来高によって報酬が左右されやすいです。
・フラワーアレンジメント教室などの講師
フラワーアレンジメントの教室で講師を務めた場合、1時間5,000円~10,000円が相場です。
フリーランスや契約社員などいくつもの教室を掛け持ちしている方以外は、講師のみの収入で暮らしていくのは難しいでしょう。
しかし時給で考えると大変高収入であるようにも見えますが、仕事が毎日あるわけではないことを考えると不安定です。
正社員や契約社員登用での月収平均は約30万円と言われています。
フラワーデザイナーの仕事内容
ここではフラワーデザイナーの仕事内容について、今一度詳しく説明させていただきます。
フラワーデザイナーとはいえ、アレンジや花束を作成する仕事ばかりではありません。
花屋の店舗経営や、商売のための接客や営業、花の入荷や仕入れ、配達などの実務作業もあります。
冬期の寒い日も関係なく、冷たい水を使って行う作業や、花の仕入れの際は数十キロの花の移動などもあり、肉体的にも辛い仕事も多いです。
デザインばかりが仕事ではないことを知るためにも、こちらでしっかりとチェックしておきましょう。
仕事内容は以下の4つです。
1. 花束やアレンジメントの制作
2. 水上げなどお花の管理・手入れ
3. ディスプレイや空間装飾
4. 接客・販売
順に説明していますのでご覧ください。
花束やアレンジメントの制作
フラワーデザイナーの主な仕事は、花束やアレンジメントの制作です。
お店に来たお客様は花の種類や色、合わせ方などの知識はほとんどありません。
そのためお客様に贈りたい相手、花のイメージ、どんな用途でプレゼントするのかなどの情報をもらい、それに見合った花束やアレンジメントを作ります。
また、花束やアレンジメントを制作する際には、お客様に予算の有無を伺う必要があります。
予算によってはイメージしていた花を使えない場合もあり、代用品が必要になることもありますので、しっかり聞いておきましょう。
水上げなどお花の管理・手入れ
仕入れた花は水上げという作業が必要です。
水上げは切り花を長持ちさせるために必要な作業で、仕入れた花に水を吸い上げさせやすくなることで花の鮮度を保ちます。
仕入れた花を水上げしてから、店頭にディスプレイしていきます。
中には5~10kgの重い花もあるため、想像しているよりも重労働です。
特に夏場の暑い日は、水が腐らないように水替えも頻繁に行わなければならず、重い花瓶を何度も運ぶ場合もあります。
寒い冬の日の水仕事はお湯が使えないため、手荒れも日常的なのでケアが欠かせません。
ディスプレイや空間装飾
店内のディスプレイや空間の装飾は、客足の数に影響が出るため、フラワーデザイナーの腕の見せどころです。
季節によって店頭の花の種類が変わるように、合わせてディスプレイや装飾を変えていかなくてはいけません。
そして、ただ飾り立てるのではなく、店頭の花の美しさを引き出すディスプレイや空間装飾を行う必要があります。
ディスプレイは水上げされた花たちを開店前までに飾り付けなければいけませんが、空間装飾は閉店後、お客様がいなくなってから行います。
接客・販売
お店が開店したら、来店するお客様の接客や販売を担当するのも、フラワーデザイナーの仕事です。
お客様の要望を聞き、それに見合った提案を行います。
季節の花のおすすめや飾り方の提案、生育に必要な道具の紹介などを行う必要もありますので、日々知識や技術を磨く必要があります。
また、店内や出張で行えるワークショップの企画や運営などの業務も大切です。
レジ打ちなどの会計業務、予約の電話対応などもあります。
フラワーデザイナーの仕事環境
フラワーデザイナーの仕事内容を見てきて、ひととおりどのような業務を行っているかがわかったところで、次はどのような仕事環境にいるのかを考えてみましょう。
華やかな女性らしい可愛らしい仕事のイメージを持っている方も多いかと思いますが、実は過酷な仕事環境であることも多いです。
ここではフラワーデザイナーの仕事の環境がどのようなものなのかを3つのポイントに絞って解説していますのでご覧ください。
お花に囲まれた毎日を過ごせる
フラワーデザイナーの仕事環境と聞いて、一番に思い描くのが、お花に囲まれた毎日を過ごせる、というものではないでしょうか。
花を取り扱う仕事のため、花のない環境は考えられません。
そのためお花に囲まれた毎日、というのは嘘ではありませんが、お花を愛でるだけではなく、生育状況を管理し、鮮度を保つために必要な業務を行う必要があります。
冬場の寒い日でも冷たい水で花の手入れを行わなければいけない、など地味で身体に負担のかかる業務も多いです。
また仕入れが必要なお店の場合は、早朝の4~5時に市場に直接行かなければいけないなど、花が好きなだけでは続けていけない仕事でもあります。
身体的負担もうまくカバーしながら、業務を続けなければいけません。
力仕事が多い
フラワーデザイナーの仕事は意外に力仕事が多いです。
たとえば、店頭に置かれている切り花はさまざまな種類のものがありますが、中には10kg近くある大型の商品もあります。
それに加えて水の入った花瓶は大きいほど重さも増すため、ディスプレイの際に移動させるのは大変です。
発送作業がある場合は、ダンボールに荷物を詰めて持ち運ぶのが地味に面倒に感じます。
お花の管理上温度差がある
お店で扱っているお花によって管理する温度が異なる場合もあります。
夏場のような暑い日差しや高温状態が続くと、植物も汗をかいたり、しおれたりすることがあるので、温度管理は重要です。
切り花の基本的な環境温度は低いので、花屋専用の冷蔵庫に入れる場合もあります。
お花と共にいる環境は、夏場は涼しく冬は寒いです。
水替えや水上げなどで冷たい水を使用しなくてはいけないため、夏場は気持ちがいいですが、冬場は手が凍るほど寒く、手荒れには手袋などを使って対応しましょう。
フラワーデザイナーにはどんな人が向いている?
フラワーデザイナーについて見てきました。
仕事内容などを知った上で、どのような人がフラワーデザイナーに向いているのか見ていきましょう。
ポイントは以下の4つです。
1. 花が好きな人
2. 常に意欲的で学ぶ意思を持っている人
3. コミュニケーション能力、ヒアリング力に長けている人
4. お客様の笑顔に幸せ、やりがいを感じる人
自分の性格と比べてみて、合うかどうかを確認しておきましょう。
また、フラワーデザイナーになりたいという方は、下記のような性質が適正であると分かっていれば自分を省みることができるので参考にしてみてください。
花が好きな人
フラワーデザイナーに向いている人は、もちろん花が好きな人です。
花が好きでなければ辛い業務には耐えられませんし、お客様の用途にあったフラワーブーケ作りなどに気持ちを込めることはできないでしょう。
また花が好きだから、花のことをもっと知りたい欲求や、どんな植物があるのか、といった探求心が沸いてきます。
また花が好きでなければ、気持ちを込めてお世話ができません。
常に意欲的で学ぶ意思を持っている人
フラワーデザイナーを目指す際にまず必要なのは知識です。
花をアレンジする方法や生育方法を知識として持っていないと、お客様の要望には応えられません。
また来店したお客様からは、どのような要望や質問がくるかわかりませんので、常に必要な知識を身に付け、お客様に有意義な時間を過ごせてもらえるようにしておきましょう。
コミュニケーション能力、ヒアリング力に長けている人
お客様とのやり取りの中から、イメージや雰囲気をつかんで、思った通りの花束やアレンジメントを作成するためには、コミュニケーション能力とヒアリング力が必要です。
いくら自分がイメージ通りに作れたと自負していても、お客様のニーズに合っていなければ、満足度は下がります。
相手の思っていることを引き出すヒアリング力が重要です。
情報を多く出してもらい、自分とのイメージをすり合わせていければ、お客様の要望により近づいたものが作れます。
お客様の笑顔に幸せ、やりがいを感じる人
お客様の笑顔が見たい、お客様に尽くすことが幸せ、と感じることができる方は、フラワーデザイナーという仕事にきっとやりがいを感じるでしょう。
花は大切な人へのプレゼントとして贈るのにぴったりの商品です。
お客様はきっと喜んでくれるだろう、と思い自分の贈りたい花のイメージをスタッフに伝えます。
そのお客様に応えたい、お客様の笑顔が見たい、と努力する気持ちがあるかどうかで、仕上がりがまったく変わってしまうのです。
相手に尽くす仕事にやりがいをもって携わることができる人は、フラワーデザイナーの仕事に向いている人です。
フラワーデザイナーとして働く上でよくある質問
ここではフラワーデザイナーとして働く上でよくある質問3つを紹介します。
1. フラワーデザイナーは専門学校に行かないとなれない?
2. 資格は必要?
3. 未経験でも採用される?
フラワーデザイナーとして雇ってもらうには、どのように学んでいけばいいのでしょうか。
それぞれの疑問に答えながら、解説していますのでご覧ください。
フラワーデザイナーは専門学校に行かないとなれない?
フラワーデザイナーは、専門学校に行かないとなれない職業なのでしょうか。
実はフラワーデザイナーの専門学校にわざわざ行かなくても、働きながら知識は得ることができます。
近年はインターネットの普及により、さまざまな知識をネットで得られます。
本や参考書だけではなく、要点を解説してくれるYouTubeやまとめサイトなどを調べて必要な情報を手に入れることができるのでとても楽です。
またどうしても専門的な知識を身に付けたい、と思い立ったのなら、大人になってからの学び直しも可能です。
企業に入社する場合は研修制度などを設けている会社もあるので、積極的に利用していきましょう。
資格は必要?
フラワーデザイナーとして働いている人たちが、必ずしも持っている明確な資格というものはありません。資格を持っていなくても、フラワーデザイナーとして働くことは可能です。ただ、フラワーデザイナーやフラワーデザイナー装飾技能士の認定資格自体はあるので、時間や金銭面で余裕がある場合は資格を取るのもひとつの手です。
フラワーデザイナーとして働き、知識がついてきたら資格を取る形もいいかもしれませんね。
未経験でも採用される?
フラワーデザイナーの資格を持っていなくても、たとえ未経験でも採用されて実経験を積みながら資格をとって働いているという方は現在でもいらっしゃいます。
アレンジメントの実際のスキルや知識に関しては働きながら身につけていけばよいという企業も多いため、まずはお花屋さんで実績を積み、知識と経験を得ましょう。
力が付いたなと思ったら、ブライダルホテルなどの専門職への転職にチャレンジです。
その後フリーランスで自分でお客様と契約を交わし、仕事を行っている方も多いです。
フラワーデザイナーの求人はプレミアガーデンへ
フラワーデザイナーの求人はプレミアガーデンがおすすめです。
プレミアガーデンの公式サイトでは、現在フラワーデザイナーのお仕事を担ってくれる方を大募集しています。
未経験でも研修制度があるので、資格を持っていない方や、経験不足でお悩みの方もぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
フラワーデザイナーの業種ごとの平均収入や仕事内容、仕事環境について解説しました。
フラワーデザイナーの仕事は、一見華やかな世界ではありますが、見えないところでは大変な苦労のある職種ともいえます。
収入は抑え気味のイメージがありますが、自分の好きな花に囲まれて生活したいとお考えの方にはぴったりの職業と言えます。
働きながら自己研鑽を続けて知識を蓄え、経験を積んでいけば報酬アップにもつながる可能性も高いので、まずは自分のできるところから、一歩踏み出してみてくださいね。