フローリストになるには?手順や役に立つ資格、心構えも解説

花が好きな人や花にまつわる仕事をしたい人にとって、フローリストは気になる職業の一つでしょう。もっとも、フローリストに興味はあってもなり方が分からない、何から始めればよいか知りたいという人も多いかもしれません。

本記事では、フローリストになるための方法について解説します。役に立つ資格や、フローリストに向いている人の特徴、働く上での心構えについても説明します。フローリストに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

フローリストとは?

フローリストとは、花を扱う仕事の総称です。例えば、花屋のスタッフやフラワーデザイナー、フラワーコーディネーターなどが挙げられます。

フローリストの仕事は花を取り扱う仕事全般を指すことから、華やかなイメージを持たれやすいです。しかし、日々美しい花々に囲まれて仕事ができる反面、花の手入れや管理などは力仕事を伴い、冬の寒い日に水仕事をしなければならないといった辛さもあります。

また、フローリストは花束やフラワーアレンジメントを作成するだけでなく、お客様に花の育て方や手入れ方法などについて教えたり、相談に乗ったりすることも大切な仕事です。

したがって、フローリストとは、花の手入れ・管理をしたり、装飾・デザイン・コーディネートしたりする「花のプロフェッショナル」とも言えます。

フローリストになるには

フローリストになる方法としては、主に以下の方法が挙げられます。

  • 花屋で経験を積む
  • 結婚式場やイベント会社の生花部門で働く
  • 花市場で働く
  • 花関連の専門学校で学ぶ

以下では、上記4つの方法について解説します。フローリストになるための方法に、決まったものはありません。自身の状況に合った方法を選択するとよいでしょう。また、フローリストとしてできるだけ早く独り立ちするためには、実践を積むことです。早いうちから、座学だけでなく実践の場に立って多くの経験を積むことが大切です。

花屋で経験を積む

フローリストになるには、花屋のスタッフとして実務経験を積むのがおすすめです。なぜなら花屋では、花の名前や品種などの基礎知識について学ぶことができ、花の手入れや管理、花束やフラワーアレンジメントの技術、接客技術などのスキルも幅広く学べるからです。

フローリストとして実践で技術を身につけつつ、知識も自然と増えていくので、花屋での経験を積むことがフローリストとして一人前になる近道と言っても過言ではないでしょう。

花屋で働くためには、求人を出している店舗に応募する必要があります。はじめから正社員での就職は難しくても、まずはアルバイト・パートから初めてみて、徐々にステップアップしてみるとよいでしょう。

結婚式場やイベント会社の生花部門で働く

結婚式場やイベント会社の生花部門で働きながら、フローリストの知識と技術を身につける方法もあります。会社にもよりますが、結婚式場やイベント会社の中には、ブーケやフラワースタンドなどを担当する専門部署を設けている場合があります。そのような会社で求人があれば、応募してみるのも一つの手です。

幅広いフローリストの仕事の中でも、特にフラワーデザインやアレンジメントの仕事をしたい人や、フラワーデザイナーを目指す人は、生花部門で働いてスキルアップを目指すのが近道と言えるでしょう。

花の卸市場で働く

花の卸市場で働くのも、フローリストになるための手段の一つです。花の卸市場では、生産農家が育てた花を花屋などが仕入れています。農家と花屋をつなぐ仲卸業者として市場で働くと、花の種類などの基礎知識や、手入れや管理に関する技術を学べます。

仲卸業者の仕事は、花の水揚げや品出しが中心であり、花束やアレンジメントの作成はほとんどしないため、デザイン面でのスキルアップは難しいかもしれません。

一方、大量の花を一度に手入れ、管理、販売する必要があるため、花の扱いが短期間で上達しやすいでしょう。

また、花の卸市場では卸売業者や花屋とのやりとりも多いため、将来のための人脈づくりにも適しています。

花関連の専門学校で学ぶ

花に関する分野の専門学校やスクールで学んでからフローリストを目指す方法もあります。仕事をしながらフローリストを目指す場合や、花に関する資格を取得したり、花に関する知識をしっかり身につけたりしたい人におすすめです。

専門学校では、花に関するプロの講師陣から知識とスキルを直接学べるのがメリットです。また、資格取得のための授業を設けている学校もあります。専門学校を卒業したことや資格を取得したことは、花屋の求人に応募する際の大きなアピールポイントになります。

最初から花屋などで実践的に学ぶよりも、体系的な知識を身につけてから実践の場に出たいと考えている人におすすめです。

フローリストになるために資格は必要?

フローリストになるために、特定の資格が必須というわけではありません。フローリストと認められるための基準は特に決められていないため、花にまつわる仕事をしていればフローリストを名乗ることは可能です。

もっとも、将来的にフローリストとして独立して活躍したい場合や、専門学校の講師として働きたい場合などは、知識とスキルの証明のために資格を持っておいた方が箔が付くでしょう。

また、花屋の求人に応募する際の履歴書や面接では、花にまつわる資格を持っていることがアピールポイントになります。

フローリストになるために役立つ資格を紹介

フローリストになるために資格の取得は必須ではありませんが、役に立つ資格は数多くあります。代表的な資格は以下の通りです。

  • フローリスト検定
  • フラワー装飾技能士
  • NFDフラワーデザイナー検定
  • FLOWERアート&デザイン資格

以下では、上記4つの資格について詳しく説明します。花にまつわる資格は独学でも参考書や問題集などを使って学習が可能ですが、プロから正確な知識を教わりたい場合は専門学校の通学や通信をおすすめします。

資格の中には実務経験を要するものもあるため、取得したい資格の合格要件をあらかじめ把握しておきましょう。

フローリスト検定

フローリスト検定は、フラワーデコレータ協会(FDA)が認定する民間資格です。花屋や結婚式場の生花部門などの現場で求められる知識やスキルに特化しています。

階級は5級から1級まであり、数字が低くなるごとに難しくなります。5級から3級は在宅で試験を受けられますが、2級と1級は会場での試験です。

フローリスト検定は、趣味で花が好きな人が取得するというよりは、仕事向けの実践的な資格です。したがって、すでに花屋や結婚式場、イベント会社などで花にまつわる仕事をしている人向けの資格です。

フラワー装飾技能士

フラワー装飾技能士は、国が認定する国家資格です。フラワー装飾に関する知識とスキルが一定の基準以上に達していることを証明します。

階級は3級から1級まであり、1級が最も難易度が高いです。趣味向けというよりはフローリストとして働く人向けの資格と言えます。

独学でも対応できますが、資格取得専門のコースがあるスクールや講習会への通学や通信で勉強するのが一般的です。

試験には学科試験と実技試験があり、両方に合格することが求められます。

NFDフラワーデザイナー検定

NFDフラワーデザイナー検定は、日本フラワーデザイナー協会(NFD)が認定する民間資格です。花に関する知識だけでなく、フラワーデザインやアレンジメントの技術が一定レベル以上あることを証明します。仕事だけでなく、趣味でフラワーデザインを学びたい人にもおすすめの資格です。

階級は3級から1級まであり、1級は難易度が高いです。いずれの級も実技試験、学科試験の両方に合格しなければなりません。1級合格後に講習会を受講・修了すると、NFDの講師になることができます。

FLOWERアート&デザイン資格

FLOWERアート&デザイン資格は、 FLOWERアート&デザイン協会(FADA)が認定する民間資格です。自由な発想力でフラワーアレンジメントを表現できるスキルを証明できます。

階級はプライマリー(初級)、アドバンス(中級)、エキスパート(上級)、プロフェッショナルⅠ、プロフェッショナルⅡの5段階です。FADA認定のカリキュラムを受講して単位を取得し、課題を提出することで資格が取得できます。

フローリストの仕事の中でも、デザインやアレンジメントの仕事のスキルを上げたい人に向いています。また、資格を取得すれば、FADAの認定教室として自分のスクールを開設することが可能です。

ブライダルで活躍できるフローリストの資格を紹介

フローリストは、花屋で働くだけでなく、結婚式場などブライダルの場でも活躍します。そこで、ブライダルで活躍できる資格を紹介します。代表的な資格は以下の通りです。

  • ブライダルフラワーコーディネーター
  • IWPAウエディングフラワーデザイナー
  • その他の資格

以下では、上記3つの資格について詳しく説明します。

フローリストの資格を持っていなくても結婚式場やブライダルの現場で働くことが可能です。もっとも、ブライダルに関する資格を持っていれば、求人に応募する際にアピールポイントとなるメリットがあります。また、あらかじめブライダルのフローリストについて学んでおくことで、現場での即戦力として活躍することにつながります。

ブライダルフラワーコーディネーター

ブライダルフラワーコーディネーターは、ブライダルフラワーコーディネーター協議会(BFCA)が認定する民間資格です。ブライダルの一般知識および花を扱うスキルが一定レベル以上身についていることを証明します。

階級は段階的に3級から1級まであります。3級は筆記試験のみですが、2級と1級は筆記試験と実技試験に合格することが必要です。

BFCAからは公式テキストが出ていますので、それを参考に勉強すれば合格水準に達するようになっています。

資格取得後は、ブライダル関連の企業やホテルの生花部門で活躍できます。

IWPAウエディングフラワーデザイナー

IWPAウエディングフラワーデザイナーは、IWPA国際ウエディングプランナー協会が認定している民間資格です。フラワーデザインの中でも、ウエディングに特化したスキルの習得を目指します。

「基礎コース」と「応用コース」のカリキュラムを受講し、筆記試験と実技試験に合格すれば資格を取得可能です。ブーケや花冠、コサージュ、テーブルフラワー、ケーキ装花など、ウエディングを彩るフラワーデザイン全般について学べます。また、花の仕入れや手入れ・管理方法など基礎的なスキルも習得できる資格です。

その他の資格

フローリストとして役立つ資格は他にもたくさんあります。例えば、生花の資格である「免状」もその一つです。生花には「池坊」「小原流」「草月流」といった流派があり、それぞれ教室に通うことで段階的に免状を取得します。免状を取得後は、各流派の教室の先生となって生花を教えることができます。

他にも、アーティフィシャルフローリスト、プリザーブドフラワーデザイナーなど、フローリストとして活躍できる資格はさまざまです。自分がどういったフローリストになりたいかで目指す資格を選ぶとよいでしょう。

フローリストに向いている人の特徴

フローリストに向いている人の特徴はたくさんありますが、代表的なものは以下の通りです。

  • 植物が好き・花に詳しい
  • コミュニケーション能力が高い
  • 体力・根気がある

以下では、上記3つの特徴について詳しく説明します。

フローリストは一見華やかな職業に思えますが、仕事内容は華やかなものばかりではなく、地味な作業や力仕事をこなさなければならない場面も多いです。

そうしたフローリストの実態にもあきらめずについていける人こそがフローリストに向いていると言えるでしょう。

植物が好き・花に詳しい

フローリストにとって重要な資質は、もともと植物が好きだったり、花の名前や種類に詳しかったりすることです。そもそも花が好きでなければ、フローリストとして仕事を続けることはできないでしょう。

フローリストとして花屋で働く際はもちろん、アレンジメントを専門にする場合も、花の手入れや管理、水仕事はつきものです。時には体力的に辛い作業が発生することもありますが、花が好きで花に囲まれて働くことに幸せを感じるタイプの人は、楽しく働けるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力が高い人は、フローリストに向いています。なぜなら、フローリストとしてお客様と接する機会がとても多いからです。

花屋では、お客様の要望を聞いてぴったりの花をすすめたり、希望に合ったデザインの花束を作ったりします。ブライダルなどのイベントでも、お客様の要望を丁寧にヒアリングし、イメージ通りのデザインに仕上げる必要があります。いずれも、お客様が何を求めているかを会話の中から引き出すコミュニケーション能力が必要になるのです。

体力・根気がある

体力・根気がある人は、フローリストに向いています。なぜなら、フローリストの仕事内容には力仕事も多く、冬の冷たい水仕事や早朝の仕入れなどもこなさなければならないからです。

花屋では、水の入ったバケツや重い鉢植えを何個も運ぶような場面が出てきます。また、繁忙期や仕入れを任された場合は、早朝から出勤しなければならない場合もあるでしょう。

このように、フローリストの仕事は体力的にきつい場合があります。それでも仕事を続けられる体力と根気がいるのです。

フローリストになるための心構え

フローリストになりたいと考えている人のために、あらかじめ知っておくべき心構えについて紹介します。主なものは以下の通りです。

  • 実践を積まないと学べないことが多い
  • 力仕事が多い
  • 高収入につながるとは限らない

以下では、上記3つの心構えについて詳しく説明します。フローリストは、美しい花に囲まれながら優雅に働くイメージがあるかもしれませんが、意外と体力勝負であり、苦労も多い仕事です。将来的にフローリストとして活躍したいなら、上記の心構えをしっかり持っておくことが重要です。

実践を積まないと学べないことが多い

フローリストの仕事は、実践を積まないと学べないことが多いと覚えておきましょう。花を扱う仕事なので、実際に花を育てたり、管理したりしなければ分からないことが多いからです。また、接客スキルも実際にお客様とやりとりすることで身についていくものです。

花に関する知識は座学でも学べますが、実際に花屋やイベント会社などで働きながら実践を積んだ方が早くスキルアップできます。

最初は座学である程度知識を学んでおく方法もありますが、できるだけ早めに実践の場に出るようにしましょう。

力仕事が多い

力仕事が多いことも、覚悟しておくべきです。フローリストの仕事は、鉢植えやプランター、水の入ったバケツなど重いものをいくつも運ぶ作業が発生します。また、花の仕入れでは仕入れ品の積み下ろし作業が発生します。さらに、冬の寒い日に水仕事に耐えなければならないため、かなり体力勝負です。

したがって、体力に自信のない人は、日頃から筋トレをして鍛えておくようにしましょう。また、フローリストとして働き始めたら、身体に負担がかからないようマッサージやストレッチ、適度な睡眠を欠かさないことが大切です。

高収入につながるとは限らない

フローリストは、必ずしも高収入とは限らないことにも覚悟が必要です。花屋の初任給は、店舗や地域によっても異なりますが大体20万円前後と言われています。手取り額では15万円前後でしょう。また、忙しさやハードさの割になかなか給料が上がらない場合も多いです。

中には独自のデザインセンスや商才を発揮して独立し、売れっ子フローリストとして高収入を得る人もいます。しかし、そうした人はほんの一握りです。また、売れっ子フローリストになるためにはただでさえ大変な仕事の中で人一倍努力し、センスを磨き、人脈を広げる必要があることを覚えておきましょう。

フローリストとして就職するための方法

フローリストとして花屋やイベント会社で働くには、主に以下の方法があります。

  • 正社員にチャレンジする
  • アルバイトや契約社員で経験を積む

以下では、上記2つの方法について詳しく説明します。フローリストの仕事の探し方は、主に求人サイトで検索するか、花屋や企業の公式サイトの求人情報を探す、店舗に直接問い合わせるといった方法です。花にまつわる仕事に特化した求人サイトを見てみるのもよいでしょう。

また、普段からお気に入りの花屋や気になっている店舗があれば、求人がないか直接聞いてみるのも手です。フローリストのなり方に決まりはないので、自分に合ったやり方でチャレンジしてみましょう。

正社員にチャレンジする

最初から正社員として花屋やイベント会社、結婚式場に就職する方法です。求人サイトでフローリストの正社員募集情報を探して応募するか、直接花屋や企業、結婚式場の公式サイトの採用情報から応募しましょう。

ただし、フローリストの正社員募集はパート・アルバイト募集より数が少なく、応募が殺到しやすいため狭き門です。また、即戦力として正社員を募集している場合はある程度の実務経験を求められることもあります。

フローリストの専門学校などでは、卒業生向けに就職のフォローをしてくれるので、最初から正社員を目指したいなら専門学校に通うのも手です。

アルバイトや契約社員で経験を積む

アルバイトや契約社員といった非正規雇用で入社して経験を積み、将来的に正社員や独立を目指す方法です。

求人サイトや店舗・企業公式サイトの採用情報を探してみましょう。正社員よりも募集の数は多く、挑戦しやすいと言えます。また、中途採用で正社員を募集しているところは応募条件に実務経験を求める場合が多いため、アルバイトや契約社員で経験を積んでから正社員に挑戦するのもよいでしょう。

ただし、アルバイトや契約社員は正社員より給料が低めで、不安定な雇用形態であることには注意が必要です。

フローリストを目指すならプレミアガーデン

プレミアガーデンでは、一緒にフローリストとして働いてくれる仲間を募集しています。花にまつわる職種を広く募集しており、接客や配達、Webマーケティング担当者など幅広い職種で人材を募集中です。また、勤務地もさまざまなので、ご自身の希望条件に合わせて求人を探せます。さらに、花屋での勤務経験がある方から未経験の方まで幅広く募集中です。

未経験の方へのフォローも充実しており、段階を踏みながら仕事に慣れていただけるプログラムも用意しています。

花が好きな人、人とコミュニケーションをとるのが好きな人がやりがいと成長を実感できる環境を用意して、皆さんの応募をお待ちしています。

詳しくは以下のページをご覧ください。

プレミアガーデンの求人情報

まとめ

フローリストは、花にまつわる仕事をする人全般を指します。フローリストになるには、特に決まりはなく、特別な資格や学歴も要しません。それだけ門戸の広い職業であり、花に興味がある人なら誰でも挑戦しやすいと言えるでしょう。

フローリストとしてのスキルを身につけるには、現場で実務経験を積むのが近道です。プレミアガーデンでは、未経験の人でもすぐに慣れるようフォローが充実しています。ぜひ、サイトでご自身に合う求人をぜひ探してみてください。

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