お花屋さんで働いていてよくあるクレームや大変なこととは?
お花屋さんの仕事は、生花を販売するだけではありません。
お花が必要とされるシーンは、お客さまにとって大切な日であることがとても多く、その日の大切な花束やアレンジメント、空間装飾を担うのもお花屋さんの仕事です。
お客さまの頭の中で思い描くイメージを引き出し、イメージをすり合わせながら形にしていくため、お花屋さんで働くためにはコミュニケーション能力が必要不可欠と言えます。
しかし、それでもときにはイメージすり合わせがうまくいかずに、お客さまからクレームをもらってしまうことも。
今回の記事では、お花屋さんでよくあるクレームについて解説し、お花屋さんの仕事の大変さと、だからこそのやりがいをご紹介します。
お花屋さんでは実際どんなクレームがある?
お花屋さんは接客業なので、どんなに自分では丁寧に仕事をしていたつもりだったとしても、お客さまからクレームをもらってしまうことがあります。
他の業種に比べると、あまりクレームが多い職場というわけではありませんが、お花屋さんはお客さまの大切な日に関わる機会がとても多い仕事です。
そのため、何かお客さまにとって不都合が起きた場合「その大切な日が台無しになってしまった」という残念な気持ちに直接つながり、感情的なクレームになることも多い仕事であると言えます。
まずは、お花屋さんでよくあるクレームの事例を見ていきましょう。
仕上がりのイメージが思っていたのとは違う
お花屋さんで働いていて一番多いクレームがお客さまとのイメージ違いではないでしょうか。
お店では「金額、用途、希望する色味や入れてほしいお花」などを聞いて花束を作ります。お客さまによっては全てをお任せしてもらえるケースもありますし、入れるお花を一緒に選びたいと希望される人もいるでしょう。
製作前に希望する情報が少なくお任せしてもらえる場合にこそ、イメージ違いのクレームが起きやすくなります。
お客さまとコミュニケーションを取る中で、相手のイメージがはっきりしない場合はイメージ画像を見せたり、店内のお花を実際に花合わせして見せたりするなどして、そのイメージの差を埋めておくことが大切です。
また、こだわりの強いお客さまは会話の中で気が付くことができるケースも多いので、より細部までイメージのすり合わせを行っておくことで、イメージ違いでのクレームを回避することができるはずです。
ボリュームが少ない、花束が小さい
お客さまのイメージした花束のボリュームより小さい、お花の本数が少ないと感じたときにもクレームになりやすいです。
お花屋さんでは購入金額に対し、入れる花の金額が計算されて決まることがほとんどです。例えば同じ金額の花束を注文した場合でも、高いバラをふんだんに使う場合と、葉物や枝ものをたっぷり使う場合では仕上がりのボリュームに差が出ます。
また、同じお花を使った花束であっても、丈を短く束ねるスタイルと長く残すスタイルでは仕上がりのサイズ感には違いがあるのです。
依頼するお花屋さんやフローリストによって同じ金額の花束でもサイズ感に差が出るので、お客さまの思い描くイメージより小さいということは十分に考えられます。
注文を受けたときに、お客さまと仕上がりのボリューム感についても共有しておくことが大切です。
お花が枯れている
お花は生き物なので、暑い夏に長時間持ち歩いた場合など、渡すときにはしおれていたとクレームをもらってしまうこともあります。
他にも、実は渡すのが次の日で、補水が足りずにお花の元気がなくなってしまったというケースも。
花束やアレンジメントの注文を受けたら、お渡しのタイミングも必ず確認しておきましょう。
生き物を扱っている以上避けては通れないクレームなので、そのときは丁寧にお客さまに謝罪し、お店のルールに応じた適切な対応を取りましょう。
蕾が咲かない
バラやシャクヤクを蕾の状態で購入されたときにあるクレームです。
硬い蕾は、水上げの状態が悪いとまれに開かないまま枯れてしまうことがあります。
また、1本のお花にいくつか蕾が付いているユリなども、お手入れ方法によっては一部の蕾が開かない可能性は十分に考えられます。
バラやシャクヤクを蕾で購入すると、蕾からふっくらと開いていく姿を鑑賞でき、尚且つ長く楽しめるため蕾で購入するお客さまも多いです。
切り花は生き物なので、必ず咲くという約束はできませんが、あまりにも固い蕾に関しては「まれに咲かないケースがある」ということを伝えておく方が親切かもしれません。
接客態度が悪い、忙しそうで話しかけづらい
実はお花屋さんの仕事量は多く、お客さまが花束やアレンジメントを注文するタイミングでスタッフが別の仕事をしているケースがとても多いです。
スタッフの少ない店舗では、他のお客さまの花束を作りながら、別のお客さまの対応をするというケースもどうしても起こり得ます。そのため、残念ながらお客さまから接客態度や話しかけづらさについてクレームをもらってしまうこともあるでしょう。
全てのお客さまを一度に対応することはできないので、1人1人のお客さまに状況を説明し、優先順位を考えながら行動することが大切です。
お客さま1人1人に真摯に対応していれば、少し待たされたというくらいでクレームになることはほとんどありません。
お待ちいただいたことへの感謝を伝え、その待ち時間以上のサービスと素敵な花束やアレンジメントをご用意できればきっと満足していただけるはずです。
クレームをもらったらどう対応する?
お店でクレームをもらうと自分自身の気持ちが落ち込んでしまいますが、同じようにお客さまもクレームの案件についてとても残念に思っているはずです。
まずは、お客さまの気持ちに寄り添った適切な対応をすることが大切です。
また、常連さんやよくお店を利用してくれるお客さまからクレームが出ることは比較的少ないため、普段からお客さまと良好な関係を築いておくことも、クレームを起こさないために必要な行動と言えるでしょう。
まずはお客さまの気持ちに寄り添う
クレームを伝えているお客さまの多くは、今後もお店を利用したいという思いからクレームを伝えている可能性もあります。自分の不快に思った感情を伝えたい、聞いて欲しいという思いでお店に来店したり、電話をかけたりしているという人も多いはずです。
まずはお客さまの主張を最後までしっかりと聞き、お客さまの気持ちに寄り添うことが大切です。
お店やスタッフに非がある場合はお客さまに不快な想いをさせてしまったことを謝罪し、ご意見、ご指摘いただいたことへの感謝を伝えましょう。
スタッフ全員で共有する
クレームをもらった場合は、個人で消化せず、必ずお店全体で共有することが大切です。
たとえ1人のフローリストが作った花束やアレンジメントに対するクレームであったとしても、その反省は他のスタッフのクレームを未然に防ぐことにもつながるはずです。
クレームをもらったらスタッフ全員で共有し、改善策をお店全体で話し合うことがとても大切です。
また、お店でお客さまのお名前と、できればお顔を共有しておくことも必要です。次回ご来店いただいた際、クレームを受けたスタッフが必ず対応するとは限りません。
1人のスタッフが受けたクレームであっても、お店全体に受けたクレームです。次回ご来店があった際、接客前に改めてクレームへの謝罪が伝えられる体制をスタッフ全員で整えておきたいものです。
クレームをもらって落ち込んでしまったら
実際にお店でお客さまからクレームをもらうと、落ち込んでしまい、お客さまとコミュニケーションを取ることすら怖くなってしまうこともあるでしょう。
また、自分が作った花束やアレンジメントにクレームが起こった場合、自信をなくしてお店で思うように製作できなくなってしまったというケースも。
実際にクレームをもらったときには、どのように気持ちを整理し今後につなげていくのが良いのでしょうか。
お店にクレームを伝えてくれたことに対して感謝する
実はクレームを言うより、クレームを言わず、今後一切そのお店は利用しない。と決めた方がお客さまにとっては楽なはずです。
あるいは、お店ではなくSNSや周囲の人に不満を話すというケースも考えられます。
直接お店にクレームを言うということは、お客さま自身にとっても労力が必要なことであり、貴重な時間を割いて気持ちを伝えてくれたことに感謝をする必要があるでしょう。
もちろん「文句を言わないと気が済まない」という気持ちでクレームを言っている人もいますが、中には「今後も利用したい、もっと良いお店になってほしい」という気持ちでわざわざクレームを伝えている人もいるはずです。
クレームは自分を成長させるチャンスと思う
一度もらったクレームは、なかなか忘れることはありません。
失敗したら同じ失敗を繰り返すことが少なくなるのと同じで、クレームをもらった事項に対しては今後より良いやり方を見つけられるはずです。
クレームは自分自身が成長するチャンスであると思うと、落ち込みすぎずに今後の仕事のやる気につなげられるでしょう。
また、自分の作った花束やアレンジメントに対してもらったクレームは、個人的なものとして受け取るためダメージが大きくなります。しかし、お店全体として受け取ったクレームに変わりありません。
個人を攻撃されているわけではないので、必要以上にダメージを受けず、誰しもに起こり得るクレームとして落ち込みすぎないことも、ときには必要です。
こんなクレームにはどう対応する?
ときには、スタッフやお店側に非がないと思われるような事項にも、クレームをもらうことがあります。
しかし、お花屋さんにとって当たり前のことであっても、お客さまにとっても同じとは限りません。
理不尽な要求を伝えてくる場合はこの限りではありませんが、お客さまからのクレームはお客さま都合だと思われることであっても、一様にお客さまの責任とは決めつけるのは避けましょう。
自分たちの説明や表現に分かりづらい部分がなかったかなどを顧みて、より良いお店になるきっかけとして考えられると良いでしょう。
ニュアンスカラーのお花が枯れていると指摘されたとき
最近では、ニュアンスカラーと呼ばれる少しくすんだ色味が人気です。
おしゃな雰囲気のニュアンスカラーの花束やアレンジメントには、くすんだ色味のバラやグリーンがかったラナンキュラス、個性的なワイルドフラワーなど、めずらしい色のお花や葉物が多く使われます。
それらのお花を使って作った花束に対して、お花が枯れているとクレームをもらってしまうことがあります。
これらは本来の元気なお花の色であり、枯れているわけではありませんが、お客さまによって枯れている、または地味に感じる人がいることは事実です。
贈る相手によってかなり好みが分かれる色味なので、ニュアンスカラーのオーダーの際は贈る相手の人柄をよく確認しておく方が安心です。
予約の勘違いで来店された場合
お花屋さんでは「〇月〇日の何時頃」と言った風に、時間指定で花束やアレンジメントの予約を受け付けます。
しかし、お客さまの勘違い(まれにスタッフによる勘違いも起こり得ます)によって予約が入っていない日にご来店されることがあることも。
お店側のミスによって予約日を勘違いしていた場合は直ちに謝罪し、商品をご用意する必要がありますが、お客さまの勘違いの場合は直接指摘してしまうとお客さまにも不快な想いをさせてしまうことが考えられます。
もしお客さまの勘違いにこちらで気が付いた場合であっても「予約のメールはございますか?」「何曜日にご予約でしょうか?」などこちらからの質問で、お客さま自身に勘違いに気が付いてもらえるように誘導できると良いでしょう。
クレームを起こさないためにできること
母の日や誕生日、結婚式など大切な日の思い出を台無しにしてしまったという事実は、どうお詫びをしても取り返しのつかないものです。
最後に、不注意やミスでクレームをもらわないために、お店全体やスタッフで日ごろからできることを考えてみましょう。
不安なことは必ず確認する
ミスが起こった経緯をさかのぼると、「〜だと思っていた」「〜と思い込んでいた」というケースがとても多く存在します。
少しでも疑問に思ったまま仕事を進めてしまうと、のちのち大きなクレームになりかねません。確認に時間がかかってしまうというケースでも、不安がある場合は先に取り除いておくのが安心です。
特に新人の頃は「こんなことを聞いていいのかな」という思いで確認せず、仕事を進めてしまうこともあり得ます。その場しのぎで対応した場合、後で大きなミスにつながるというケースが多いため、疑問点はその都度必ずクリアにしておくことが大切です。
常にお客さまと良い関係を保っておく
常連さんや顔見知りのお客さまから突然とんでもないクレームをもらってしまう、というケースはなかなか考えづらいものです。
常日頃、お客さまと良好な関係を築いておくことは、お花屋さんで働く上でとても大切なこと。日々お客さまとコミュニケーションをうまく取れていれば、思い違いなどでのクレームも起きづらくなるはずです。
基本的な部分ですが、お客さま1人1人と丁寧に向き合って仕事をすることが、クレームを起こさないためにできる最善の策と言えるでしょう。
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まとめ
クレームは起こさないに越したことはありませんが、怖いことばかりではありません。
クレームを伝えてくれるお客さまは、お店やスタッフによりよくなって欲しいという思いで気持ちを伝えてくれている人もいるはずです。
自分自身を成長させるチャンスととらえて、お客さまの気持ちに寄り添い、これまで以上に良い関係を築くきっかけにできると良いですね。