花屋で独立するためには?主な流れや成功の秘訣などもくわしく紹介

花屋を開業して独立したいと考えている方も多いでしょう。花に囲まれて働くことができ、自分のペースで経営できるのは大きな魅力ですが、開業に向けた準備や運営上のノウハウを身につける必要があります。本記事では、花屋で独立するための具体的な手順や、成功するためのポイントをくわしく解説します。ぜひ、花屋独立への一助となれば幸いです。

花屋で独立する前に知っておくべき基本知識

花屋で独立するには、さまざまな知識が必要不可欠です。初めて独立する人にとっては、どこから手をつけていいのかわからず、不安を感じるかもしれません。

以下では、花屋で独立する前に知っておくべき基本知識を解説します。

店舗形態

花屋で独立する際の店舗形態は大きな選択肢の一つです。主な店舗形態には店舗経営、自宅経営、ネットショップがあり、それぞれメリットとデメリットがあります。独立を目指す花屋は、自身の経営資源や事業モデルに合わせて、最適な店舗形態を選択する必要があります。

店舗形態メリットデメリット
店舗経営直接的な対面接客が可能店舗作りが自由初期投資が大きい家賃などの固定費がかかる
自宅経営店舗よりも初期投資が抑えられるワークライフバランスを実現しやすいプライベートと仕事の区別がつきにくい在庫管理が難しい
ネットショップ初期投資が小さい24時間365日受付できる対面販売の機会がない配送中の鮮度維持が課題となる

初めて独立する花屋は特に、自社の経営資源を見極め、デメリットを最小限に抑えられる店舗形態を選択することをおすすめします。

主な仕事内容

花屋で独立する際はさまざまな仕事を行う必要があります。ここでは、花屋の主な仕事内容を確認してみましょう。店舗により異なる場合もありますが、花屋の主な仕事内容は以下の通りです。

  • 花や植物の管理
  • 接客販売
  • 花束制作
  • 商品の仕入れ
  • 問い合わせ対応
  • 配達の手配
  • イベントの装花

以上のように、花屋はさまざまな業務に取り組む必要がありますが、それぞれのポイントを押さえながら、経営力の向上に努めることが成功への近道だと言えるでしょう。

花屋が扱う商品やサービス

花屋では主に以下のような商品やサービスが提供されます。

  • 生花
  • 花束
  • フラワーアレンジメント
  • ドライフラワー
  • 手入れ用の道具
  • 花瓶
  • 植木鉢

また、お客様のニーズに合わせて、誕生日、母の日、結婚祝い、送別会などのシーンに合ったブーケのカスタムオーダーも人気があります。さらに、ワークショップの開催や結婚式・イベント会場での装花など、サービス面での提案も重要です。ワークショップでは、リース作りやお正月飾り作りなど、季節や行事に合わせたコースを提供することで、お客様のニーズに応えられるでしょう。

これらの商品やサービスを組み合わせ、お客様の需要に合わせた独自の提案ができるよう、花屋としての強みを活かすことが成功への近道となります。花屋で独立する際は、顧客ニーズを的確に捉え、差別化された品揃えやサービスを提供することが重要です。

花屋で独立するメリット

花屋で独立することは、多くの人にとって夢のような目標です。しかし、華やかなイメージとは裏腹に、花屋の経営は決して楽ではありません。成功するためには、綿密な計画と戦略が必要です。それでも、花屋で独立することには以下のようなメリットがあります。

開業したら自身のペースで働ける

花屋で独立すると、自分のペースで働くことができます。自ら店舗を構えることで、自分の得意分野に注力したり、自分のペースで休憩を取ったりと、柔軟な働き方が可能になります。繁忙期には集中して働き、閑散期には自分のペースで店舗運営を行えるのです。

また、接客や仕入れなど、自分に合った業務を選択できます。得意な分野に専念し、苦手な部分は人を雇ったり委託したりするなど、自身のスキルを最大限に活かすことができます。

さらに、店舗の営業時間も自由に設定できます。地域のニーズに合わせて、朝早くから夜遅くまでの営業時間やゆとりある時間設定を行うことも可能です。

このように、花屋で独立すれば自分のペースで働くことができ、ワークライフバランスの実現にもつながります。

店舗のコンセプトやイメージを決められる

花屋で独立すると、自身のアイデアを存分に反映したお店作りができます。例えば、店内の装飾や什器の選定、販売する花の品揃えなどを自身のこだわりや顧客ニーズを考えながら自由に決められるのが大きなメリットです。

店のイメージに合わせて、以下のような選択が可能です。

項目具体例
店内装飾落ち着いた雰囲気の店舗、明るく華やかな店舗 など
店頭ディスプレイ季節のテーマに合わせたディスプレイ、独自性のあるディスプレイ など
取り扱い商品珍しい品種の花、植物関連雑貨 など

これらの要素を自身のこだわりと市場ニーズのバランスを取りながら決められるのが、花屋で独立するメリットと言えます。自分らしさを存分に発信し、個性的な店舗を実現できるのが大きな魅力です。

地域密着型の事業を展開できる

花屋で独立すれば、地域に密着した事業を展開できるようになります。地域の顧客に寄り添い、地域のニーズに合わせたサービスを提供することが可能です。

例えば、地元のお祭りやイベントに合わせて、季節の花を使ったアレンジメントを販売することができます。地域の人々の生活に寄り添いながら、お店のイメージを醸成することが期待できるでしょう。また、地域の学校や病院、施設などと連携し、定期的な花の提供サービスを行うこともできます。地域の人々の生活に密着したサービスを提供することで、リピーターの獲得や地域からの信頼を得やすくなるでしょう。

地域に密着した経営を行うことで、顧客ニーズをきめ細かく把握し、満足度の高いサービスを提供し続けられるのが花屋で独立する強みと言えるでしょう。

花屋で独立するデメリット

花屋で独立するメリットが多数あることは間違いありません。しかし、独立への道のりにはさまざまな障壁もあります。以下では、独立への道のりにおける具体的なデメリットをくわしく解説します。

初期投資の費用が高い

花屋で独立する際は、初期投資の費用が高くなります。店舗のタイプや規模にもよりますが、店舗開設には約200万〜1,000万円がかかり、店舗の物件費や内装・外装工事費が大きな支出となります。場所の選定や店舗規模によってはさらに多額の資金が必要となる可能性があるでしょう。できる限り小規模な店舗から始めたり、自宅での店舗経営を検討したりするのも一案です。また、家賃負担を抑えるため、賃貸物件ではなく物件の購入を検討するのも有効かもしれません。慎重な検討と計画的な準備が成功への鍵となるでしょう。

安定した収入を得にくい

花屋で独立する際は、安定した収入を得にくくなる可能性があります。花屋は景気の影響を受けやすく需要の変動が大きいため、安定した収益を上げるのが難しい傾向にあります。

特に、開業初期は集客に苦戦する可能性が高く、売上が安定しないことが多いです。新規顧客の獲得や、リピーター客の確保には一定の時間がかかるため、軌道に乗るまでは赤字になることも珍しくありません。

そのため、独立を検討する際は十分な初期資金を用意しておく必要があります。また、売上の変動に備えて、最低半年分の生活費を確保しておけば、開業初期の資金繰りを安定させることができます。

長時間労働になる可能性がある

花屋で独立すると長時間労働に陥る可能性があることが挙げられます。花屋では、お客様のニーズに合わせた商品の手配や、花の手入れ、販売、配送など、さまざまな業務をこなす必要があります。特に、商品の手配や新鮮な花を常に準備しておく必要があるため、早朝から深夜遅くまでの労働時間が常態化しがちです。

また、各種イベントや季節ごとの繁忙期には、通常の営業時間を大幅に超える労働時間が発生する場合もあるでしょう。花屋で独立する際は勤務時間も自分で決める必要があります。

経営する上では長時間労働を強いられる可能性が高く、オーナー自身の健康面や生活面での悪影響が懸念されます。そのため、適切な人員配置や業務効率化などの対策を講じることが重要です。

花屋で独立するまでの流れ

花屋で独立することは、多くの夢を抱く人にとって魅力的な挑戦です。しかし、実際に取り組もうとすると、さまざまな課題が山積みです。夢を現実のものにするためには、一つ一つの準備を丁寧に進めていく必要があります。以下では、花屋で独立するまでの具体的な流れをご紹介します。

コンセプトを決める

コンセプトやイメージを決めることは、花屋で独立する上で非常に重要な初期段階です。まずは、自分がどのような花屋を目指したいのかを明確にする必要があります。

コンセプトを検討する際のポイントの例は以下の通りです。

コンセプト例内容
業界の課題に着目する花き業界が抱える課題(花の廃棄率の高さなど)に着目し、それに取り組む花屋としてのコンセプトを検討する
自身の強みを活かす自身の得意分野や特技を活かせるような、独自性のあるコンセプトを設定する
ユニークさを出す他の花屋と差別化できるよう、ユニークなコンセプトを打ち出す

このように、コンセプトが明確になれば、店内の雰囲気作りや商品ラインアップ、ターゲティングなどが自然と見えてきます。 コンセプト作りは花屋開業の根幹をなすため、十分な時間をかけて慎重に検討することが重要です。

事業計画書を作成する

事業計画書の作成は、花屋で独立する際の重要なステップです。事業計画書には、事業のビジョンや内容、創業者のプロフィール、市場分析、商品・サービスの概要、マーケティング戦略、財務計画など、開業に向けたさまざまな要素を盛り込む必要があります。

事業計画書を作成する際のポイントは以下の通りです。

  • ビジョンの明確化 
  • 市場分析とニーズの把握 
  • 商品・サービスの詳細設計
  • マーケティング戦略の策定
  • 財務計画の作成 

事業計画書を作成する際は、中小企業支援センターなどの無料相談サービスを活用するのも良いでしょう。専門家のアドバイスを得ながら、現実的で実現可能な事業計画書を作成することが重要です。事業計画書の作成は大変な作業かもしれませんが、花屋で独立するための土台を築く上で必要不可欠なステップです。じっくりと取り組んで、確実に開業への道筋を立てていきましょう。

資金調達をする

事業計画書の作成が一定程度進んできたら、次のステップとして資金調達に取り組むことが重要です。花屋で独立する際は、初期投資が大きくかかるため、自己資金だけでは賄いきれない場合があります。そこで、外部からの資金調達を検討することをおすすめします。

特におすすめなのが、日本政策金融公庫の各種融資制度の活用です。日本政策金融公庫は、開業実績がない方や小規模事業者に対しても融資を行っています。

具体的な融資制度としては、新創業融資制度があり、無担保・無保証人で利用できる上に新規開業に必要な設備資金が受けられます。審査では事業計画書の内容が重視されるため、しっかりとした事業計画書を作成しておくことが重要です。また、地方自治体や商工会議所などが提供する創業支援制度も、資金調達の選択肢として検討してみると良いでしょう。

資金調達については、自己資金と外部資金のバランスを慎重に検討し、無理のない範囲で実現可能な計画を立てることが肝心です。専門家に相談しながら、最適な資金調達方法を見つけていくことをおすすめします。

物件探しをする

資金調達と並行して、物件探しも始めましょう。人通りの多い駅前や繁華街の路面店は、人目に付きやすく集客しやすい傾向にあります。路面店の物件の場合は、店先に花や植木をディスプレイすることもあるため、店舗物件のオーナーや不動産会社に、どこまでディスプレイに使えるかなどを確認するようにしましょう。また、店頭ディスプレイを行えるかどうかも、物件選定の際のチェックポイントとなります。収支計画を立てながら、無理せず支払える範囲の賃料で店舗を借りることが大切です。資金繰りが安定しないと、経営の継続が難しくなるため、収支予測を慎重に行い、長期的な視点で物件選定を行ってください。

専門家に相談しながら、立地や賃料、店頭ディスプレイの可否など、さまざまな条件を総合的に検討し、最適な物件を見つけることが重要です。

仕入れルートを確立する

次に仕入れルートを確立しましょう。花屋の仕入れルートを確立するためのおすすめの方法は以下の通りです。

  • 生産者と直接契約する
  • 市場で仕入れる
  • 仲卸業者から仕入れる

仕入れ先はさまざまあるので、仕入れ先を複数確保し、鮮度の高い商品を安定的に仕入れられる体制を構築することが成功への近道となります。 仕入れ先の選定は、コストや納品体制、商品の品質など、さまざまな要素を総合的に検討し、最適なルートを見つけていくことが重要です。

開業届を提出する

花屋で独立するにあたり、最後の重要なステップが開業届の提出です。開業届は、自治体に対して新しい事業所を設立したことを届け出るものです。

具体的な手続きは以下の通りです。

  1. 開業する場所の管轄の税務署などに行き、開業届の用紙を入手します。用紙には、店舗の所在地、代表者の情報、事業内容などを記入する欄があります。これらの項目を正確に記入し、事業開始後1か月以内に提出してください。
  2. 開業に伴う税務手続きをするために、所得税の青色申告承認申請書を申請します。青色申告承認申請書を提出すると確定申告ができるようになり、所得税最大65万円が控除されます。青色申告承認申請書の提出期限は、業務を開始してから2か月以内です。忘れないように開業届と同時に提出しましょう。

これらの手続きを確実に行うことで、合法的な事業活動を始められるのです。

花屋での独立を成功させる秘訣

花屋で独立すると自分のペースで働き、個性的な店舗作りができるというメリットは大きいですが、一方で初期投資の確保や安定収益の確保などの課題も多数あります。そんな中、花屋で独立して成功するためには、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。

以下では、花屋で独立して成功させる秘訣を解説します。

独自性を明確にする

花屋で独立する際は、自店の独自性を明確にすることが重要です。自店のコンセプトやターゲット層を設定し、それに合わせた店舗作りを心がけましょう。

例えば、自然派志向の顧客を狙うなら、店内に観葉植物を多く配置したり、植木鉢や園芸用品を豊富に取り揃えるのが良いでしょう。一方、ファッション性の高い商品を求める顧客を狙うなら、デザイン性にこだわったり、おしゃれなインテリア雑貨を充実させたりしましょう。このように、自店の独自性を明確にすることで、花屋で独立を成功させるための大きな武器となるはずです。

他店舗と差別化を図る

他店舗との違いを明確にすると差別化が図れます。例えば、地域の特徴を活かした花の品揃えや生花アレンジメントのオーダーメイドサービスを充実させましょう。また、店舗の雰囲気作りにも力を入れ、リラックスできる空間作りやお客様とのコミュニケーションを大切にするなど、他店とは一線を画す接客サービスを心がけましょう。

さらに、SNSを活用して店舗の魅力を発信したり、地域の学校や福祉施設などと連携して社会貢献活動を行ったりするなど、さまざまな取り組みを行うことで、他店との差別化を図ることができます。

継続的に経営改善を行う

花屋で独立して成功させるには、継続的に経営改善に取り組むことが不可欠です。経営状況を定期的に分析し、課題を見つけ出して改善策を立てていくことが重要になります。

売上や利益、顧客動向、在庫管理などの数値データを細かくチェックし、経営の課題を洗い出すことから始めましょう。その課題に対して、効果的な改善策を検討し、実行に移します。例えば、売上が伸び悩んでいる場合は、新商品の開発や販促活動の強化などが考えられます。一方で、在庫管理が適切でないと、資金繰りに悪影響を及ぼしかねません。そのような場合は、発注管理や陳列方法の見直しなどに取り組むと良いでしょう。

このように、PDCAサイクルを回しながら、常に改善に取り組むことで、花屋の経営を安定させ、成長につなげていくことができます。また、フィードバックを得るために、定期的に顧客アンケートを実施するなど、外部からの視点も取り入れることが重要です。

独立するならまずは他の花屋で働くのがおすすめ

花屋で独立を目指す方は、まずは他の花屋で働いてみましょう。実際の店舗運営の現場を体験し、経営ノウハウを習得することで、自身の独立に向けた準備が大きく前進するはずです。花屋で独立するには、さまざまなスキルが必要不可欠です。そのため、まずは既存の花屋で経験を積み、実践的なノウハウを蓄えましょう。独立への道のりは決して平坦ではありませんが、他店舗での経験で自信と実力をつけていくことが、花屋での独立を成功させるための近道です。まずは経験を積むことから始めてみましょう。

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まとめ

本記事では、花屋の開業準備から成功の秘訣までの道のりを解説しました。花屋で独立するには、自店舗ならではの独自性を明確に打ち出すことです。単に花を売るだけでなく、お客様に魅力的な店舗の雰囲気やサービスを提供することが成功への近道となるでしょう。

例えば、地域に根ざした店舗作りや、フラワーアレンジメントの高度な技術の習得など、自店の強みを見つけて磨き上げることがかかせません。また、継続的な経営改善にも取り組み、時代のニーズに合った柔軟な対応も求められます。

一方で、花屋での独立には初期投資の負担や不安定な収支など、デメリットも多数あります。そのため、事前に他店舗で経験を積むことをおすすめします。

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